『冥府の門番は今日も忙しい!――聞いてないぞ! 死神が仕事放棄とか!――』

 それだけ言って、母さんの気配は消えた。

 しばらく誰も話さずにいると、朔がぽつりと口を開く。

「天界行くの?」

「ああ」

「沙羅麻ちゃんのところ?」

「だから、その呼び方もう完全に定着してんのかよ……」

 昨日までなら、それで笑って終われたはずだった。

 でも今日は違う。

 窓路が何を仕掛けたのか。

 死神たちは何処へ消えたのか。

 そして何故、その答えへ辿り着くために俺の家族まで必要になるのか。

 まだ何一つ分からなかった。