『冥府の門番は今日も忙しい!――聞いてないぞ! 死神が仕事放棄とか!――』

「…………は?」

 今度こそ聞き間違えたのかと思った。

「窓路?」

『そう』

「何であいつが俺の手当の書類止めてんだよ!」

『それを聞くためにも、今日は冥府庁へ行く前に一度こちらへ来なさい』

「天界に?」

『ええ』

「窓路もいるのか?」

『今はまだいないわ』

「じゃあ何で天界なんだよ」

 母さんはすぐには答えなかった。

 さっきまでの軽い調子が消え、少し低くなった声が静かに返ってくる。

『あなたに、見せなければいけないものがあるから』