「どうやったら知れる?センパイのそのお人好しな考え」
「長谷川く」
振り返って見上げれば、口元の黒子に視線が向くが、見下ろしてくる誠の目を見た。
「お人好しで」
「長谷」
「男運も男への免疫もないくせに」
「ちょ…っ!」
「仕事はできて、他の人よりも何倍も仕事をこなす」
誠は、香織にどんどん顔を近づけていく。
香織の顔は真っ赤になり、まとめていた資料に手が当たってしまうと、辺りに散らばった。
「なのに…普通に笑って他を庇う。センパイの考え、意味わかんない」
「ま、待ってください…長谷川くん…!」
じっと見つめてくる誠の表情は、とても真っ直ぐだったが、すぐにニヤッと笑った。
「…なんてね。センパイほんと、まともな恋愛してこなかったの?顔、真っ赤じゃん」
「〜っ、か…関係ないでしょ!?」
「ははっ。それは正論。でも、面白いね、センパイ」
パッと香織から離れると、散らばった資料を拾い集める誠。
ふと、立ったままの香織の膝が、震えているのに気づくと、クスッと笑った。
集めた資料を集め終えると、ゆっくりと立ち上がり、香織の髪に触れた。
「……初で可愛いね、センパイ」
「〜っ!か、からかわないでよ…!」
「はいはーい。これ以上すると、センパイが腰抜かしちゃうね〜」
香織に背を向けるが、顔だけ振り返ると舌をベッと出して笑う。
「とりあえず、早くそれ持ってきてよ」
「…え…」
「その量、ひとりでやってたら終電になっちゃうんじゃないですかー?」
資料を持ってデスクに戻る誠に続いて、残りの資料を持った香織は、赤い顔のまま自分のデスクに着いた。
オフィス内は、ホチキスのパチンと留める音と紙のカサカサという音だけが響く。
書類をまとめていた香織は、チラッと誠を見た。
少なくなった書類をまとめながら、口を開く香織。
「あの…すみません…。社長のご子息に…こんなサービス残業…」
「サビ残の自覚あるなら、次から断ってくれる?無駄な時間じゃん」
「……ほんと、みんなといるときと、全然違いますねっ」
「所詮はただの人付き合い。愛想振り撒いてた方が、円滑に進むし、僕社長の息子だからさー。笑ってた方がめんどくさくないわけ」
誠の言葉に、動かしていた香織の手が止まった。
「長谷川く」
振り返って見上げれば、口元の黒子に視線が向くが、見下ろしてくる誠の目を見た。
「お人好しで」
「長谷」
「男運も男への免疫もないくせに」
「ちょ…っ!」
「仕事はできて、他の人よりも何倍も仕事をこなす」
誠は、香織にどんどん顔を近づけていく。
香織の顔は真っ赤になり、まとめていた資料に手が当たってしまうと、辺りに散らばった。
「なのに…普通に笑って他を庇う。センパイの考え、意味わかんない」
「ま、待ってください…長谷川くん…!」
じっと見つめてくる誠の表情は、とても真っ直ぐだったが、すぐにニヤッと笑った。
「…なんてね。センパイほんと、まともな恋愛してこなかったの?顔、真っ赤じゃん」
「〜っ、か…関係ないでしょ!?」
「ははっ。それは正論。でも、面白いね、センパイ」
パッと香織から離れると、散らばった資料を拾い集める誠。
ふと、立ったままの香織の膝が、震えているのに気づくと、クスッと笑った。
集めた資料を集め終えると、ゆっくりと立ち上がり、香織の髪に触れた。
「……初で可愛いね、センパイ」
「〜っ!か、からかわないでよ…!」
「はいはーい。これ以上すると、センパイが腰抜かしちゃうね〜」
香織に背を向けるが、顔だけ振り返ると舌をベッと出して笑う。
「とりあえず、早くそれ持ってきてよ」
「…え…」
「その量、ひとりでやってたら終電になっちゃうんじゃないですかー?」
資料を持ってデスクに戻る誠に続いて、残りの資料を持った香織は、赤い顔のまま自分のデスクに着いた。
オフィス内は、ホチキスのパチンと留める音と紙のカサカサという音だけが響く。
書類をまとめていた香織は、チラッと誠を見た。
少なくなった書類をまとめながら、口を開く香織。
「あの…すみません…。社長のご子息に…こんなサービス残業…」
「サビ残の自覚あるなら、次から断ってくれる?無駄な時間じゃん」
「……ほんと、みんなといるときと、全然違いますねっ」
「所詮はただの人付き合い。愛想振り撒いてた方が、円滑に進むし、僕社長の息子だからさー。笑ってた方がめんどくさくないわけ」
誠の言葉に、動かしていた香織の手が止まった。


