席を立った誠に続くように、香織と井本も立ち上がって会釈し、先方の社をあとにした。
「あ、あの…!長谷川くん…!す、すみません…!」
「井本さんは何も悪くありませんよ。僕と本木先輩が勝手にやったんですから。大丈夫ですよ」
慌てる井本に対して、ニコニコと笑う誠はそれを最後に、自社に戻るタクシーの中でただ黙っていた。
自社に到着すると、香織が声をかける前に、誠はどこかへ行ってしまった。
「あの、本木さん…すみません…自分のせいで…」
「え!?そんなことないですよ!井本くん、私よりもすごく丁寧に説明してくれてたでしょう?お相手に伝わるなぁって思ってたのに…担当者さんがどうかしてたね…」
「も、本木さん…あの…!お詫びと言ってはなんですけど、よ、よかったら今日のランチ奢ります!!」
「そんな………いや、行きましょう!」
井本の表情が明るくなるのを見ると、香織も笑顔になった。
(久々に職場の人とランチに…!嬉しい~…!!)
心の中でガッツポーズを決める香織は、井本と談笑ながら営業部へ戻った。
オフィスのドアを開けると、慌ただしい様子に、井本と顔を合わせつつも自分の席に着いた香織。
隣の誠は、外線で話をしていた。
「本木さん、ちょっと」
「は、はい…!」
(さっきの商談のことかな…)
少しの緊張に包まれつつ、呼ばれた香織は立ち上がって課長の席前に立った。
それと同時に、誠が受話器を置いて、デスクトップ画面を操作し始めたあと立ち上がる。
「C社との商談だけど…何かしらがあったと先方から連絡をもらったのですが…」
「申し訳ございません。私の責任で」
「課長、C社の件ですが、契約内容と見積書を確認しましたら、当初より大幅に内容が異なることがわかりました。商談時の本木先輩のご指摘で損害を防ぐことができました」
誠が香織の隣に立ち、プリントされたばかりの書類を課長へ差し出すと、課長は半ば呆然としつつ書類を確認した。
「我が社の損害を優秀な方が守ってくださり、社長に代わってお礼を申し上げます」
ニコッと笑う誠に、香織も課長も開いた口が塞がらなかった。
しかし、課長は状況だけを把握したのか、慌てて誠の顔を上げようと立ち上がった。
「は、長谷川く…!あ、頭を上げてください!!」
「はい。よって、先ほど社長のご指示でC社との契約を今期で終了することが決まりました」
「あ、あの…!長谷川くん…!す、すみません…!」
「井本さんは何も悪くありませんよ。僕と本木先輩が勝手にやったんですから。大丈夫ですよ」
慌てる井本に対して、ニコニコと笑う誠はそれを最後に、自社に戻るタクシーの中でただ黙っていた。
自社に到着すると、香織が声をかける前に、誠はどこかへ行ってしまった。
「あの、本木さん…すみません…自分のせいで…」
「え!?そんなことないですよ!井本くん、私よりもすごく丁寧に説明してくれてたでしょう?お相手に伝わるなぁって思ってたのに…担当者さんがどうかしてたね…」
「も、本木さん…あの…!お詫びと言ってはなんですけど、よ、よかったら今日のランチ奢ります!!」
「そんな………いや、行きましょう!」
井本の表情が明るくなるのを見ると、香織も笑顔になった。
(久々に職場の人とランチに…!嬉しい~…!!)
心の中でガッツポーズを決める香織は、井本と談笑ながら営業部へ戻った。
オフィスのドアを開けると、慌ただしい様子に、井本と顔を合わせつつも自分の席に着いた香織。
隣の誠は、外線で話をしていた。
「本木さん、ちょっと」
「は、はい…!」
(さっきの商談のことかな…)
少しの緊張に包まれつつ、呼ばれた香織は立ち上がって課長の席前に立った。
それと同時に、誠が受話器を置いて、デスクトップ画面を操作し始めたあと立ち上がる。
「C社との商談だけど…何かしらがあったと先方から連絡をもらったのですが…」
「申し訳ございません。私の責任で」
「課長、C社の件ですが、契約内容と見積書を確認しましたら、当初より大幅に内容が異なることがわかりました。商談時の本木先輩のご指摘で損害を防ぐことができました」
誠が香織の隣に立ち、プリントされたばかりの書類を課長へ差し出すと、課長は半ば呆然としつつ書類を確認した。
「我が社の損害を優秀な方が守ってくださり、社長に代わってお礼を申し上げます」
ニコッと笑う誠に、香織も課長も開いた口が塞がらなかった。
しかし、課長は状況だけを把握したのか、慌てて誠の顔を上げようと立ち上がった。
「は、長谷川く…!あ、頭を上げてください!!」
「はい。よって、先ほど社長のご指示でC社との契約を今期で終了することが決まりました」


