優依の肩を抱いて、もと来た道を戻った。柵を開けてSpringfield Avenueへと出て、優依のステイ先の前で再び小さなキスをした。
「おやすみ、憧くん」
「ああ……おやすみ」
明日、どうするの、と尋ねそびれたのをちょっと後悔していると、戸口へと向かいかけていた優依がくるりと振り返った。
「土日はね、部屋で勉強する、今週は」
「……そっか。オレも見習っとくか」
「また、来週……だね?」
「ああ」
鍵を開けて、中へと優依が入るのを確認してから、バス停のある大きな通りへと向かう。
時計を見ると、すでに2時を過ぎていた。遅くなるかも、なんてクレインに言った通りになってしまった。ホストマザーのケイティーは夜勤だからいいとして、宵っ張りのクレインが起きていたりしたら、あれこれ突っ込まれかねない。さて、なんて誤魔化したものか。
ずっと草の上に敷いていたシャツからは、はっきりと青りんごの移り香が感じられた。
とんでもない女と、とんでもないことをしてしまった。
とはいえ、後悔の念が微塵もないのには笑ってしまう。それどころか、妙な高揚感というか、ぞくぞくするような興奮が未だどろりと身体の奥でとぐろを巻いている。普通、出すものを出してしまえばすっきりしてしまうところなのに、こんなのは初めてだ。
そろそろと唇に手を触れ、別れ際のキスを思い出す。
また来週だね、というあの声に、勝手にあれこれ余計な期待や妄想がくっついて、独り歩きする。ふう、と息を吐くと、すでに再び優依に触れたくなっている自分をはっきりと自覚して怖くなった。
『でも……ああ、私、こういうの、ぞくぞくするほど好きだったんだ、って思い知らされたかも』
さっきの優依の言葉を思い出す。
どこかでわかっていた。優依が絶対に拒否なんかしない、ということを。
かわいい顔の内側に、とんでもない欲望を隠したヤバイ女――そんな優依に、オレはすでにどっぷりハマってしまっていたのだった。
「おやすみ、憧くん」
「ああ……おやすみ」
明日、どうするの、と尋ねそびれたのをちょっと後悔していると、戸口へと向かいかけていた優依がくるりと振り返った。
「土日はね、部屋で勉強する、今週は」
「……そっか。オレも見習っとくか」
「また、来週……だね?」
「ああ」
鍵を開けて、中へと優依が入るのを確認してから、バス停のある大きな通りへと向かう。
時計を見ると、すでに2時を過ぎていた。遅くなるかも、なんてクレインに言った通りになってしまった。ホストマザーのケイティーは夜勤だからいいとして、宵っ張りのクレインが起きていたりしたら、あれこれ突っ込まれかねない。さて、なんて誤魔化したものか。
ずっと草の上に敷いていたシャツからは、はっきりと青りんごの移り香が感じられた。
とんでもない女と、とんでもないことをしてしまった。
とはいえ、後悔の念が微塵もないのには笑ってしまう。それどころか、妙な高揚感というか、ぞくぞくするような興奮が未だどろりと身体の奥でとぐろを巻いている。普通、出すものを出してしまえばすっきりしてしまうところなのに、こんなのは初めてだ。
そろそろと唇に手を触れ、別れ際のキスを思い出す。
また来週だね、というあの声に、勝手にあれこれ余計な期待や妄想がくっついて、独り歩きする。ふう、と息を吐くと、すでに再び優依に触れたくなっている自分をはっきりと自覚して怖くなった。
『でも……ああ、私、こういうの、ぞくぞくするほど好きだったんだ、って思い知らされたかも』
さっきの優依の言葉を思い出す。
どこかでわかっていた。優依が絶対に拒否なんかしない、ということを。
かわいい顔の内側に、とんでもない欲望を隠したヤバイ女――そんな優依に、オレはすでにどっぷりハマってしまっていたのだった。

