「あの…どうされましたか?」


若干、動揺で棒読みになる言葉


俺の問いに、女性は体を震わせながら、ゆっくり答えた


「助けて下さい…助けて下さい…」


同じ言葉を何度も口にする女性


腕をブラーンとしている俺


見ず知らずの女性を抱きしめるキャラでもない


俺の両腕は、行き場を失って、ただブラーンと宙で揺れる


「とりあえず、その…中でお話を伺いましょう」