――――致して、しまった。


私は今、すぐ隣に眠るむき出しの肩を寝息で上下させている九条をちらりと盗み見した。


体をこちらに向け、ピアスのある左耳が下敷きになってるけど、痛くないのかな……


そう言えばちょっと前に聞いた気がする。九条のピアスはプラチナ素材だとか。


そんなお高いものを雑に扱っていいのか?


しかし…寝顔までもが、まるで完成された彫刻のように美しいのが鼻につく。長い睫毛が形の良い頬に影を落としていた。鎖骨から肩までのくっきりとした骨の盛り上がりが、程よく白い肌が……眩しいぜ…


そして同じく私も何も身に着けてない。


一体”アレ”から何時間経ったのだろう、時間の間隔さえ曖昧になってきた。勿論、九条のように無神経に寝ることもできず……


嗚呼、ヤってしまった。


と言う感覚だけはしっかりと脳を満たしている。九条の体はまるで熱をもったように熱かった。でもそれを言い換えるとエアコンを付けていなかった部屋で重ねた肌が温かく―――心地よかった。


ぎゅっと布団の端を握り、熱くなった頬を隠す。


私が少しでも身動きしたら触れてしまう距離。セミダブルのこのベッドに誰か隣に眠るのはこれが初めてだ。