「彰!」 待ち合わせ場所に、彰がいた。 いつも私が待っているだけなのに。 奇跡、かな?? 彰は、私のほうを向いた。 少しくせ毛な髪。 首にはマフラーが巻いてある。 あ。 私があげたやつだ。 そう思うと、自然と微笑む。 ちらり、と。 仕事帰りのお姉さんが、彰のことを見ている。