その姿を見上げかけて、ここが教室で、周りにもたくさんの人がいることを思い出す。
流星の姿が見えているのは、わたしだけ。
わたしが流星を見ていても、周りの人には、何もない場所をじっと見つめているようにしか見えないんだ。
……気をつけなきゃ。
もう一度自分に言い聞かせて、わたしは机の中のノートをリュックに詰め込んだ。
終礼の後、今日もまっすぐ家に帰ろうと思っていた。のに。
「行、け!」
玄関へと向かおうとするわたしの目の前を、流星がぐるぐると飛んでいる。
「……邪魔なんだけど」
「邪魔してんだよ。こうでもしないと、おまえ家に帰るだろ」
ぐるぐる回るのをやめたかと思えば、今度は目の前でぶんぶんと手を振り始めた。
その手が視界の邪魔をして、前に進めない。
「家に帰ったって、どうせマンガ読むだけだろ」
「それが何なの。流星だって一緒に読むんでしょ」
周りに人がいないことを確認して、流星の名前を口にした。
「読むけど。それは夜でもいいだろ。せっかく入ったんだから、部活行けよ」
そう言って、流星は美術室のある校舎の方を指さした。
「……流星も知ってるでしょ。美術部員のほとんどは幽霊部員だって」
「あぁ、知ってる」
「わたしもそうなの。やりたいことなんてなかったから美術部に入ったの」
流星の姿が見えているのは、わたしだけ。
わたしが流星を見ていても、周りの人には、何もない場所をじっと見つめているようにしか見えないんだ。
……気をつけなきゃ。
もう一度自分に言い聞かせて、わたしは机の中のノートをリュックに詰め込んだ。
終礼の後、今日もまっすぐ家に帰ろうと思っていた。のに。
「行、け!」
玄関へと向かおうとするわたしの目の前を、流星がぐるぐると飛んでいる。
「……邪魔なんだけど」
「邪魔してんだよ。こうでもしないと、おまえ家に帰るだろ」
ぐるぐる回るのをやめたかと思えば、今度は目の前でぶんぶんと手を振り始めた。
その手が視界の邪魔をして、前に進めない。
「家に帰ったって、どうせマンガ読むだけだろ」
「それが何なの。流星だって一緒に読むんでしょ」
周りに人がいないことを確認して、流星の名前を口にした。
「読むけど。それは夜でもいいだろ。せっかく入ったんだから、部活行けよ」
そう言って、流星は美術室のある校舎の方を指さした。
「……流星も知ってるでしょ。美術部員のほとんどは幽霊部員だって」
「あぁ、知ってる」
「わたしもそうなの。やりたいことなんてなかったから美術部に入ったの」



