親が再婚したけど、どうやら義兄弟が八人いるらしい

「えっと、圭五さん?よろしくお願いします」

「圭五お兄ちゃん」

「ん…?」

「だーかーら!圭五お兄ちゃん!俺、お兄ちゃんって呼んでくれる妹が欲しかったんだー、なのに、下の奴らはみんな男だし。だから、圭五お兄ちゃんって呼んで!」


そう言って、目を輝かせる。これは拒否権なんてなさそうだ。
お兄ちゃんなんて、一生呼ぶことがないと思っていた。だけど、さっきのやりとりを見て、私もこの雰囲気に混ざりたいと思うようになっていた中で、お兄ちゃんと呼んでくれと言われたことが、なんだかとてもうれしかった。


「圭五お兄ちゃん…」


そう呼ぶと、圭五お兄ちゃんは嬉しそうに微笑み、何度もお兄ちゃんという響きを確かめるように声に出して繰り返していた。


「じゃあ、とりあえず凛ちゃんの部屋に行こう?凛ちゃんの部屋は二階だよ、ほらキャリーケースお兄ちゃんが持ってあげるからちょうだい?」


そう言われ、私は圭五お兄ちゃんにキャリーケースを回収されてしまった。それから二人で階段を上がり、まっすぐ廊下を進むと、一番奥の部屋の扉の前で圭五お兄ちゃんは止まった。


「ここだよ」


そのまま、圭五お兄ちゃんが扉を開けた。そこには、かわいらしい家具やぬいぐるみが置いてある、ファンシーな部屋が広がっていた。


「これは?」

「あのね、!俺は反対したんだよ?凛ちゃんの好みがあるでしょって、でも、みんなが、特に兄ちゃんたちが止まらなくて…気づいたらこんな風になっちゃってて」

「私、小学生と思われてる?」

「やっぱり、そうだよな、ごめん。今からでも新しい部屋用意するから!」

「ううん、大丈夫、いい部屋だと思うよ。ちょっとかわいすぎるけどね。荷物の整理をしたいから、少しの間一人にしてくれる?」

「うん、わかった。じゃあ、一時間後ぐらいに迎えに来るからな!」


そう言って、元気よく帰っていった。圭五お兄ちゃんがいなくなったことにより、よりこの部屋の広さを痛感する。家具は多分、同じブランドのものでまとめてあるためか、統一感があり、部屋に鎮座する大きなベッドにはカーテンがつけられ、上には可愛いぬいぐるみが八つ置いてある。

(ユニコーンや、犬、猫?ライオンもあるけど、これは何?)

気分はファンタジー小説のプリンセスだ。とりあえず、キャリーバックを開け、高級感の漂うピンクのクローゼットに衣服をしまった。

(疲れたぁー)

私はこのプリンセスベッドの上に仰向けになってみた。

(なにこれ、気持ちいい)

気づいたら私は深い夢の中へと落ちてしまっていた。