「兄弟についてなんだけど…僕たち実は八人兄弟なんだ、それで、僕は長男なんだよ」
八人…八……
「八人!?」
八人なんて、大家族中の大家族だろう。一瞬空気を和らげるための一翔さんの冗談かと思ったが、この一翔さんの気まずそうな顔が本当のことであるということを物語っている。
「えーっと、それは、男の子と女の子が何人ずつなんでしょうか?」
「それが、全員男、しかも、男の子とか呼べる年齢じゃないんだよね…ごめんね、嫌だよね、いきなり男八人と住むなんて、だからちゃんと凛ちゃんに言ったのかって聞いたのに、父さんは…」
「それは…うちの母は知ってるんですか?」
「緑さん?緑さんはもちろん知っているよ。もう僕たち八人と会ったこともあるし…」
緑というのはうちのお母さんのことだ。でも、お母さんが知っていて、私だけが知らないということは…
「多分、嵌められてますね」
「嵌められたって?」
一翔さんが不思議そうな顔をした。
「実は、私男の人に慣れてなくて、おそらく、八人も兄弟がいることを知ったら、私が拒否すると思って言わなかったのでしょう」
「え…今は大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ、慣れてないといっても、緊張しちゃうくらいなので」
そうして運転している一翔さんの方をみると、やっぱり顔が整っているなぁと思う。運転しているだけなのに、まるで映画のワンシーンのようだ。こんな人がお兄ちゃんになるなんて、いまだに信じられない。
「それで、あと七人はどんな感じの子なんですか?」
「それは、帰ってからのお楽しみということで、みんなそれぞれ自己紹介したいと思うし…あのね、凛ちゃん、僕たちは結構前から凛ちゃんのこと知ってて、今日のこの日を楽しみに待っていたんだ。うちのメンバーはちょっとクセがあるかもだけど、仲良くなってくれたら嬉しいな」
そう言って笑う一翔さんを見ると、兄弟が好きなんだなという感情が伝わってくる。
「今日は平日だからまだ家にはあんまり集まっていないと思う、だから八人一斉になんてことはないから安心してね、もうすぐ着くよ」
それから私は家に到着するまで、窓の外の風景をじっと見つめていた。聞いてないよ、お母さん…
それから数分後
「凛ちゃん、到着したよ。我が家へようこそ」
車から出て、見上げた先には、立派な豪邸が建っていた。何部屋あるのかはわからないが、外観は三階建てのように見える。
「えーっと、とりあえず案内するね」
そう言って一翔さんが玄関のドアを開けた瞬間、奥の部屋から声が聞こえた。
「おかえり!一翔兄ちゃん」
そう言いながら金髪の男の人が部屋から出てきた。
「この人が凛ちゃん?」
男の人は私のもとに駆け寄ってくると、私の手を勝手に握り、ぶんぶんと握手をした。
「こら、圭五(けいご)、びっくりするだろう、いきなりそんなことしたら」
そんな一翔さんの注意もお構いなしに続ける
「俺、圭五!五男で大学一年生、よろしくな凛ちゃん!」
「圭五」
隣に立っている一翔さんから、良くないオーラが出ている気がする。それにしても、圭五さんは、明るい人だな、私ならこんな行動は取れないだろう。
「ちぇー、つれないなー、こんくらい挨拶じゃん」
「そういえば四季(しき)はどこかな?あいつに言わないといけないことがあって」
「四季兄ちゃんなら、部屋にいると思うよ?新刊がどうのこうのって言ってたから、また何かしでかしたの?四季兄ちゃん」
「しでかしたところじゃないよ」
一翔さんはそう言って頭を抱える。私は、こんなに優しくて落ち着いている口調の一翔さんがこいつと言ったことに驚いた。でも、このやりとりを聞いていると、一翔さんが長男なのはなぜかわかる気がする。すると、一翔さんが、私の方に向かって私に話しかけた。
「ごめん、凛ちゃんの部屋、圭五に案内してもらって、ちょっと僕行かないといけないとこできちゃったから、圭五はチャラそうに見えるけど、根はいいやつだから」
そう言うと、私の返事も待たずに階段を駆け足でのぼっていった。
八人…八……
「八人!?」
八人なんて、大家族中の大家族だろう。一瞬空気を和らげるための一翔さんの冗談かと思ったが、この一翔さんの気まずそうな顔が本当のことであるということを物語っている。
「えーっと、それは、男の子と女の子が何人ずつなんでしょうか?」
「それが、全員男、しかも、男の子とか呼べる年齢じゃないんだよね…ごめんね、嫌だよね、いきなり男八人と住むなんて、だからちゃんと凛ちゃんに言ったのかって聞いたのに、父さんは…」
「それは…うちの母は知ってるんですか?」
「緑さん?緑さんはもちろん知っているよ。もう僕たち八人と会ったこともあるし…」
緑というのはうちのお母さんのことだ。でも、お母さんが知っていて、私だけが知らないということは…
「多分、嵌められてますね」
「嵌められたって?」
一翔さんが不思議そうな顔をした。
「実は、私男の人に慣れてなくて、おそらく、八人も兄弟がいることを知ったら、私が拒否すると思って言わなかったのでしょう」
「え…今は大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ、慣れてないといっても、緊張しちゃうくらいなので」
そうして運転している一翔さんの方をみると、やっぱり顔が整っているなぁと思う。運転しているだけなのに、まるで映画のワンシーンのようだ。こんな人がお兄ちゃんになるなんて、いまだに信じられない。
「それで、あと七人はどんな感じの子なんですか?」
「それは、帰ってからのお楽しみということで、みんなそれぞれ自己紹介したいと思うし…あのね、凛ちゃん、僕たちは結構前から凛ちゃんのこと知ってて、今日のこの日を楽しみに待っていたんだ。うちのメンバーはちょっとクセがあるかもだけど、仲良くなってくれたら嬉しいな」
そう言って笑う一翔さんを見ると、兄弟が好きなんだなという感情が伝わってくる。
「今日は平日だからまだ家にはあんまり集まっていないと思う、だから八人一斉になんてことはないから安心してね、もうすぐ着くよ」
それから私は家に到着するまで、窓の外の風景をじっと見つめていた。聞いてないよ、お母さん…
それから数分後
「凛ちゃん、到着したよ。我が家へようこそ」
車から出て、見上げた先には、立派な豪邸が建っていた。何部屋あるのかはわからないが、外観は三階建てのように見える。
「えーっと、とりあえず案内するね」
そう言って一翔さんが玄関のドアを開けた瞬間、奥の部屋から声が聞こえた。
「おかえり!一翔兄ちゃん」
そう言いながら金髪の男の人が部屋から出てきた。
「この人が凛ちゃん?」
男の人は私のもとに駆け寄ってくると、私の手を勝手に握り、ぶんぶんと握手をした。
「こら、圭五(けいご)、びっくりするだろう、いきなりそんなことしたら」
そんな一翔さんの注意もお構いなしに続ける
「俺、圭五!五男で大学一年生、よろしくな凛ちゃん!」
「圭五」
隣に立っている一翔さんから、良くないオーラが出ている気がする。それにしても、圭五さんは、明るい人だな、私ならこんな行動は取れないだろう。
「ちぇー、つれないなー、こんくらい挨拶じゃん」
「そういえば四季(しき)はどこかな?あいつに言わないといけないことがあって」
「四季兄ちゃんなら、部屋にいると思うよ?新刊がどうのこうのって言ってたから、また何かしでかしたの?四季兄ちゃん」
「しでかしたところじゃないよ」
一翔さんはそう言って頭を抱える。私は、こんなに優しくて落ち着いている口調の一翔さんがこいつと言ったことに驚いた。でも、このやりとりを聞いていると、一翔さんが長男なのはなぜかわかる気がする。すると、一翔さんが、私の方に向かって私に話しかけた。
「ごめん、凛ちゃんの部屋、圭五に案内してもらって、ちょっと僕行かないといけないとこできちゃったから、圭五はチャラそうに見えるけど、根はいいやつだから」
そう言うと、私の返事も待たずに階段を駆け足でのぼっていった。
