恐怖探偵団と死神運動会

「このクソ人間共が!!せめて一人だけでも魂を奪ってやる!!」

ボス死神が手を掲げる。刹那、麗奈の周りを黒い煙が取り囲んだ。亮太たちが「麗奈!!」と叫ぶのが一瞬見えたものの、すぐに煙で見えなくなる。

「ッ!?」

何が起きたのかわからず、ただ麗奈は銃を構える。黒い煙の中に映像が浮かび上がった。麗奈の父親と母親が映っている。二人は忙しそうに働いていた。その顔に笑顔はない。ただ、手を動かして部下に指示を出している。

「お前の親はお前のことなんて一ミリも考えていないぞ。何故なら、お前の両親にとってお前は装飾品だからだ」

死神の声が響く。実に愉快そうな声だった。麗奈は震える声で訊ねる。

「……どういうこと?」

「お前が生まれたのは、親が望んだからじゃない。互いの家の祖父母に急かされ、仕方なく作ったんだ。あの二人にとって、子どもは優秀で人に自慢できる存在であるかどうかしか重要じゃないんだ。哀れだなぁ。お前は誰からも愛されていないんだぞ」