雪の中に溶ける恋


「え……?」

私はポカンと口を開けて、しばらくモノのように固まってしまった。

「う、ウソですよね!!許婚なんて……ウソぉ!」

「ウソじゃない。事実だっての」

彼はあきれ顔でため息をついている。

「なんでそんなに、あたりまえ、みたいな態度を……」

「親が勝手に決めたんだよ。それは。しょうがないだろ」

「ウソ……ですよね……」

まわりのお客さんが私たちをジロジロとみてくる。

「……お客様、お静かに」

定員さんにまで注意されてしまった。

「じゃあ、話してやる」

「俺たちの親。まぁ、父親のほうな。が、勝手に決めたんだ。その時のノリで」

ノリで……私たちの未来を壊したぁ!?

「な、なにそれ……」

「ま、今あーだこーだ考えたって、決まったことは変えられない」

「そ、そうだけどぉ……」

コーヒーも、私の心のように冷めかけていた。

「詳しい話は、お父さまに聞いてください」

「う……じゃあ、お城に帰る……」