その後は、お互いのより詳しい近況報告の話がはじまった。
「優子ちゃん、出版社にいるんだよね。
昔から本が好きだったもんね。」
「うん、今はね料理の本を出す準備中。
大変なことも多いけど、やっぱり本が出来上がると嬉しいんだよね。」
うっとりと空を見つめながら続ける。
「あとね、好きな作家さんがいてね、短編小説が素敵で、それをいつか世に出したいの。
作家さんご本人は謙遜してるんだけど、早く形にして、みーんなに読んで欲しいんだよね。」
潤くんには、他の人には言えなかったことも言える。
絶対に笑ったり茶化したりしない人だから。
私が夢見心地に呟く言葉を潤くんが優子しく見守ってくれる。
あの頃と変わらない。
「潤くんはIT系よね?私全然詳しくないから、うまく質問できないんだけど。」
少し間が空いて、
潤くんが「さっきは言わなかったけど、俺、独立したんだ、5年前に。」
何気ないようにさらっと言う。
「えーーー!?独立?独立ってことは社長??すごいすごい!」
「セキュリティ系の会社でね、ようやく軌道に乗った感じかな。
会社員で一生を終わるのも嫌だし、人生一度きりだからね。」
「うんうん。潤くんならわかるよ。
昔から、静かで穏やかだけど芯の強い人だと思っていた。
前に出るタイプではないけど、いざという時にはみんなが頼ってくるタイプだもんね。
すごいね、社長さんかぁ。
あー、なんか私まで嬉しくなってきた。」
1人でテンション上がっていると、ふと潤くんが真顔になる。
「優子ちゃん、さっきは彼氏いないって言ってたけど、ほんとにいないの?」
「うん、もう5年ぐらいになるかなぁ。
潤くんは?潤くんも彼女いないって言ってたけど、そうなの?」
「うん、俺もいないよ。
結構長いかな。仕事に夢中で。特に独立してからはあっという間の5年だった。」
「そうなんだよねぇ。
東京って出会いはたくさんあるけど、深くお付き合いするには勇気がいるし、
年々、臆病になってる感じ。
でも、潤くんは元々かっこいいし、社長ならなおさらモテるでしょ?」
少し複雑な思いで、潤くんの反応を伺うと、
「社長だからって寄って来る人は、たぶん違うでしょ?」
困ったように、潤くんに返されて、納得する。
「うーん、確かに。たぶん違うねぇ。
えー、それって、難しいね。」
そうだ。
モテることとお付き合いすることは全くイコールではない。
「優子ちゃんこそ、モテそうだけどなぁ。」
「ううん、全然。」
潤くんが納得いかないような顔で、「でも…優子ちゃん、鈍いもんなぁ。」と言ってくる。
「やだ、なんで知ってるの?わかる?
どうも私って鈍いらしいのよ。
最近、会社の後輩によく言われるんだけど、自分じゃわからないもんはわからないんだよね。
細かい機微がわからないって、編集者として問題だと思うのよねぇ。」
ここ数年来の悩んでも仕方のないことを独り言のようにつぶやく。
「優子ちゃん、出版社にいるんだよね。
昔から本が好きだったもんね。」
「うん、今はね料理の本を出す準備中。
大変なことも多いけど、やっぱり本が出来上がると嬉しいんだよね。」
うっとりと空を見つめながら続ける。
「あとね、好きな作家さんがいてね、短編小説が素敵で、それをいつか世に出したいの。
作家さんご本人は謙遜してるんだけど、早く形にして、みーんなに読んで欲しいんだよね。」
潤くんには、他の人には言えなかったことも言える。
絶対に笑ったり茶化したりしない人だから。
私が夢見心地に呟く言葉を潤くんが優子しく見守ってくれる。
あの頃と変わらない。
「潤くんはIT系よね?私全然詳しくないから、うまく質問できないんだけど。」
少し間が空いて、
潤くんが「さっきは言わなかったけど、俺、独立したんだ、5年前に。」
何気ないようにさらっと言う。
「えーーー!?独立?独立ってことは社長??すごいすごい!」
「セキュリティ系の会社でね、ようやく軌道に乗った感じかな。
会社員で一生を終わるのも嫌だし、人生一度きりだからね。」
「うんうん。潤くんならわかるよ。
昔から、静かで穏やかだけど芯の強い人だと思っていた。
前に出るタイプではないけど、いざという時にはみんなが頼ってくるタイプだもんね。
すごいね、社長さんかぁ。
あー、なんか私まで嬉しくなってきた。」
1人でテンション上がっていると、ふと潤くんが真顔になる。
「優子ちゃん、さっきは彼氏いないって言ってたけど、ほんとにいないの?」
「うん、もう5年ぐらいになるかなぁ。
潤くんは?潤くんも彼女いないって言ってたけど、そうなの?」
「うん、俺もいないよ。
結構長いかな。仕事に夢中で。特に独立してからはあっという間の5年だった。」
「そうなんだよねぇ。
東京って出会いはたくさんあるけど、深くお付き合いするには勇気がいるし、
年々、臆病になってる感じ。
でも、潤くんは元々かっこいいし、社長ならなおさらモテるでしょ?」
少し複雑な思いで、潤くんの反応を伺うと、
「社長だからって寄って来る人は、たぶん違うでしょ?」
困ったように、潤くんに返されて、納得する。
「うーん、確かに。たぶん違うねぇ。
えー、それって、難しいね。」
そうだ。
モテることとお付き合いすることは全くイコールではない。
「優子ちゃんこそ、モテそうだけどなぁ。」
「ううん、全然。」
潤くんが納得いかないような顔で、「でも…優子ちゃん、鈍いもんなぁ。」と言ってくる。
「やだ、なんで知ってるの?わかる?
どうも私って鈍いらしいのよ。
最近、会社の後輩によく言われるんだけど、自分じゃわからないもんはわからないんだよね。
細かい機微がわからないって、編集者として問題だと思うのよねぇ。」
ここ数年来の悩んでも仕方のないことを独り言のようにつぶやく。

