静かな教室に吹き込む風を感じながら、美紀は読書を、亮太は課題を始めた。
少しすると、亮太が美紀の手をトントンと、指で小突く。
「…わかんない…」
「…ど、どこ?」
「ここの問題の意味」
上目づかいで美紀を見上げてくると、少し顔があつくなりつつも、指差す場所に視線を移した。
設問を黙々と読むと、美紀の解説が始まる。
ふむふむと聞いていた亮太は、「あ」と声を出して、解きだした。
「……これ!?」
「うん。そう。ここの文章が問題の意図ね」
「いと……オレ、現国好きになったかもしんない」
キラキラとした目で美紀を見てくる亮太に、思わず吹き出してしまう。
笑う美紀を見て、亮太も微笑みを見せる。
「オレ、押花ちゃんが笑ってくれるの、好きだなぁ」
「…っ…!」
突然の言葉に、笑っていた美紀の顔は真っ赤になった。
しっかりと見られた顔を逸らすが、赤い耳が隠せていないことに、亮太はクスっと笑った。
「笑ってる方が似合うよ」
「か、からかわないで…」
「なはは。照れてる」
「~~…っ」
すると、廊下からにぎやかな声が聞こえ始めているのに気づき、亮太は席に戻った。
「押花ちゃんありがとね。今日の放課後から勉強、よろしくお願いしまっす」
「うん。役に立てて良かった」
「亮太ー!はよっ」
「おぉ、おはよ~」
徐々に集まり始める生徒たちに囲まれる亮太は、そのまま連れ出されて廊下に行ってしまった。
美紀は読書を再開しようとしたところで、同級生たちから声をかけられる。
「押花ちゃんおはよ!」
「おはよう…」
挨拶を返していたところで、修が教室に入ってきた。
パッと顔を下に向ける美紀は、修が通り過ぎるのを待つが、美紀の隣に立ったまま動かないことに気付いた。
ゆっくりと顔を上げると、じっと見つめてくる修と視線が合う。
「お、おはよう…」
「今日だろ?勉強」
「あ…う、うん…放課後…土師くんと…」
「…わかった」
修は、廊下で談笑する亮太を見てから、自分の席に着いた。
緊張する美紀は、バッグに手を伸ばし、三冊の本を取り出した。
ゴクリと、唾を飲み込むと、修へ振り向く。
「あのっ、黒井くん…これ、山本先生のほ…ん…」
差し出しながら見てみると、机に伏している様子に、意気込みが消えて行った。
伏した腕に顔を埋めているため、表情もわからない。
気恥ずかしくなった美紀は、何事もなかったように、ゆっくりと前を向いた。
(……さっき話したときに言えばよかった…)
積もる恥ずかしさから、読んでいた本を開いて、気を紛らわせた。
少しすると、亮太が美紀の手をトントンと、指で小突く。
「…わかんない…」
「…ど、どこ?」
「ここの問題の意味」
上目づかいで美紀を見上げてくると、少し顔があつくなりつつも、指差す場所に視線を移した。
設問を黙々と読むと、美紀の解説が始まる。
ふむふむと聞いていた亮太は、「あ」と声を出して、解きだした。
「……これ!?」
「うん。そう。ここの文章が問題の意図ね」
「いと……オレ、現国好きになったかもしんない」
キラキラとした目で美紀を見てくる亮太に、思わず吹き出してしまう。
笑う美紀を見て、亮太も微笑みを見せる。
「オレ、押花ちゃんが笑ってくれるの、好きだなぁ」
「…っ…!」
突然の言葉に、笑っていた美紀の顔は真っ赤になった。
しっかりと見られた顔を逸らすが、赤い耳が隠せていないことに、亮太はクスっと笑った。
「笑ってる方が似合うよ」
「か、からかわないで…」
「なはは。照れてる」
「~~…っ」
すると、廊下からにぎやかな声が聞こえ始めているのに気づき、亮太は席に戻った。
「押花ちゃんありがとね。今日の放課後から勉強、よろしくお願いしまっす」
「うん。役に立てて良かった」
「亮太ー!はよっ」
「おぉ、おはよ~」
徐々に集まり始める生徒たちに囲まれる亮太は、そのまま連れ出されて廊下に行ってしまった。
美紀は読書を再開しようとしたところで、同級生たちから声をかけられる。
「押花ちゃんおはよ!」
「おはよう…」
挨拶を返していたところで、修が教室に入ってきた。
パッと顔を下に向ける美紀は、修が通り過ぎるのを待つが、美紀の隣に立ったまま動かないことに気付いた。
ゆっくりと顔を上げると、じっと見つめてくる修と視線が合う。
「お、おはよう…」
「今日だろ?勉強」
「あ…う、うん…放課後…土師くんと…」
「…わかった」
修は、廊下で談笑する亮太を見てから、自分の席に着いた。
緊張する美紀は、バッグに手を伸ばし、三冊の本を取り出した。
ゴクリと、唾を飲み込むと、修へ振り向く。
「あのっ、黒井くん…これ、山本先生のほ…ん…」
差し出しながら見てみると、机に伏している様子に、意気込みが消えて行った。
伏した腕に顔を埋めているため、表情もわからない。
気恥ずかしくなった美紀は、何事もなかったように、ゆっくりと前を向いた。
(……さっき話したときに言えばよかった…)
積もる恥ずかしさから、読んでいた本を開いて、気を紛らわせた。



