世界で1番近い君と、1番遠い初恋


今カノからの強い牽制────

「これ以上、神楽くんを惑わせないで」
という痛烈な言葉が、私に重い鎖をかけた。

幸平をこれ以上苦しめたくない。

彼女を傷つけたくない。

そう思えば思うほど、私は幸平から遠ざかるしかなかった。

​廊下ですれ違いそうになれば自ら遠回りをして姿を消し、校内で目線を合わせることすら避けるようになった。

幸平もまた、私に拒絶された記憶と罪悪感からか、私を視界に入れることすら避けるようにうつむいて歩くようになっていた。

​すっかり秋が深まり、校庭の木々が枯れ葉を落とす頃には、私たちは同じ学校に通い、隣同士の家に住んでいるとは思えないほど、互いの存在を消し合って過ごしていた。

​言葉を交わすことも、顔を合わせることすらなくなった息苦しい秋が過ぎ────

季節は、凍てつく冬へと向かっていた。