世界で1番近い君と、1番遠い初恋


​「ねえ知ってる? 1組の神楽くんって、中学のときからめちゃくちゃモテてたんだって!」

「顔、凄くない? サッカー部入るらしいよ。しかもさ、もう彼女いるんだって。」

「えー! マジで? 誰?誰?」

「同じ中学だった子らしいよ。さっき廊下で仲良さそうに話してるの見ちゃった。神楽くんって、いっつも彼女途切れないタイプらしいよ。」


​休み時間、女子たちが楽しそうに交わす噂話が、ダイレクトに耳に飛び込んできた。


​────彼女が、いる。


────しかも、いっつも途切れない。


​その言葉の意味を正しく理解するのに、数秒かかった。

頭の中が真っ白になり、指先からすーっと血の気が引いていく。


​(……ウソだよね? 幸平は、『大人になっても一番は瑠華だ』って言ってた。約束、してくれたのに……。)