引っ越した先の街は、何もかもが余分に広く、そして冷たく感じられた。
新しい小学校の広い校庭、聞き慣れないアクセントの方言、そして何より────
どこを見渡しても幸平の姿がない景色。
転校したばかりの頃の私は、毎日のように夜になると布団を頭までかぶり、声を殺して泣いていた。
手のひらの中に収まる小さな星のガラスキーホルダーだけが、私と幸平を繋ぐ唯一のしるしだった。
約束通り、最初の頃は毎週末のように電話をかけ合っていた。
『瑠華、そっちはどう? 俺、こっちのサッカークラブでレギュラーになれたんだよ!』
『すごいね幸平! 私はね、新しい学校で図書委員になったの。本がたくさんあるんだよ。』
受話器越しに聞こえる幸平の少し高めの声は、孤独な私にとって何よりの救いだった。


