『もう、好きじゃないことにした』

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その夜。

帰宅した莉央を、蓮が玄関で迎えた。

「おかえり!」

「ただいま〜」

「楽しかった?」

「うん!」

「そっか」

蓮はそれだけ言うと、莉央を抱きしめた。

「……蓮?」

「充電」

「充電?」

「うん」

ぎゅっと抱きしめる。

「今日一日会えなかったから」

莉央は笑った。

「たった一日だよ?」

「俺には長かった」

「……大げさ」

「大げさじゃない」

蓮は莉央の髪に顔を埋めた。

「離れてた時間…長すぎたから」

その言葉に、すぐには返事ができなかった。

蓮の背中に腕を回す。

「……ごめんね」

「謝らないで」

「でも……」

「莉央」

蓮は優しく言った。

「戻ってきてくれたから、それでいい」

「……うん」

「だから、もう我慢しない」

「……」

「寂しかったら寂しいって言う」

「会いたかったら会いたいって言う」

「好きだったら好きって言う」

莉央の目が潤む。

「……私も」

「うん?」

「もう、我慢してないよ」

「本当に?」

「うん」

莉央は蓮を見上げた。

「会いたかったら会いたいって言う」

「うん」

「寂しかったら寂しいって言う」

「うん」

「……好きだったら」

少し照れながら。

「好きって言う」

蓮は嬉しそうに笑った。

「じゃあ今は?」

「……え?」

「今、俺のこと好き?」

莉央は顔を赤くした。

「……好き」

「どれくらい?」

「……いっぱい」

「足りない」

「もう…///…」

「……蓮は?私のこと好き…?」

蓮は少し考えるふりをしてから、

「世界で一番」

そう言った。

莉央は笑った。

「……私も」

「うん?」

「世界で一番、蓮が好き」

蓮は何も言わず、もう一度莉央を抱きしめた。

「……それ聞けたから、今日は満足」

「ほんと?」

「うん」

少し間を置いて。

「……明日も聞きたいけど」

「ふふ」

「明後日も」

「もう」

「毎日」

「……いいよ」

頬が緩む。

「毎日言う」

蓮も笑う。

「じゃあ俺も毎日言う」

そして二人は、もう一度強く抱きしめ合った。

離れていた時間を埋めるように。

これからはもう、遠慮しない。

好きな人に、

「好き」

と言える幸せを。

二人はゆっくり噛みしめていた。