『もう、好きじゃないことにした』

帰り道。

隣を歩く蓮を見た。

「ねえ」

「ん?」

「蓮って……こんなに甘い人だったっけ?」

「知らなかった?」

「知らなかった」

「じゃあ、これから知って」

「……うん」

笑みが溢れる。

すると蓮が手を繋いだ。

「莉央」

「ん?」

「キスしてもいい?」

「……え?い、いま、?」

「嫌?」

「いや、そうじゃなくて……」

顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。

蓮は笑った。

「冗談」

「もう……」

「でも」

蓮が少し真面目な顔になる。

「キスしたいのは本当」

「……うん」

「早く帰りたいな」

蓮が、どこか意味ありげに笑った。

その表情を見て、何を考えているのかなんとなく分かってしまう。

私は小さく笑って、蓮の手を握り返した。

「……私も」