『もう、好きじゃないことにした』

でも――

「……多くない?」

ある日の夜。

私が笑いながら言うと、

蓮が少し困ったような顔をして

「迷惑?」

「違う違う!」

「じゃあいいじゃん」

「……嬉しいけど」

「じゃあ、これからも送る」

「……うん」

思わず笑みがこぼれた。

・

・

・
そして、仕事が始まった。

久しぶりの職場には、
以前お世話になった先輩たちとも再会した。

私の顔を見るなり、

「莉央ちゃん、久しぶり!」

「戻ってきてくれて嬉しいよ」

と、みんな笑顔で迎えてくれた。

変わらない笑顔に、少しだけ胸があたたかくなる。

ここに戻ってきてよかった。

そう思えた。
・

・

・

そして、仕事終わり。

会社を出たところで、ふと前を見る。

少し離れたところに、見覚えのある人が立っていた。

……あれ?

じっと目を凝らす。

見間違えるはずのない姿に、思わず足が止まった。

「……蓮?」

「お疲れ」

「え!? なんでいるの?」

「迎えに来た」

「でも今日、仕事忙しいって……」

「終わらせた」

「わざわざ?」

「会いたかったから」

「……」

私は言葉を失った。

蓮は何でもないことのように、

「帰ろ」

と言った。