***
蓮side
翌朝。
莉央にメッセージを送った。
『昨日のこと、ちゃんと話したい』
既読はつかなかった。
昼になっても。
夜になっても。
次の日になっても。
既読はつかなかった。
電話をかけても繋がらない。
紗季ちゃんは莉央の居場所を頑なに教えてくれないし。 共通の友人に聞いても、誰も知らなかった。
そして一週間が過ぎた。
二週間。
一ヶ月。
莉央からの連絡は、一度もなかった。
でも──
ある夜。
ふと電話でのやり取りを思い出した。
『本当は、追いかけてほしかった』
あのときの莉央の言葉。
「……俺」
蓮は俯いた。
「何してたんだろ」
待つ。
それが莉央のためだと思っていた。
莉央が更に離れないように。
莉央が戻ってくるまで、何もせずに待つ。
それが優しさだと思っていた。
でも違った。
莉央はずっと、
「追いかけてほしい」
と言っていた。
「会いたい」
と言っていた。
それなのに自分は、
「待つから」
と言って、莉央を一人にした。
追いかけようとした時にはもう…遅かった。
「……待ってるだけじゃ」
声が震える。
「ダメだったんだ」
目から涙が落ちる。
「最初から俺が…行けば…よかった」
俺が莉央を追いかけると決めたときには、
…もう遅かった。
もっと早く、俺から追いかけていればよかった。
莉央が俺のことを信じられなくなる前に。
一人で離れることを決めてしまう前に。
最初から、俺が逃げずに追いかけていれば――。
莉央のところへ。
何度拒まれても。
何度「嫌だ」と言われても。
離れようとしている莉央を、何度でも追いかけて手を差し伸べればよかった。
「……ごめん」
誰もいない部屋で呟く。
「莉央……ごめん」
スマホを握りしめる。
もう一度だけ、電話をかける。
――繋がらない。
「……会いたい」
その言葉が、静かな部屋に落ちた。
そして俺は決めた。
もう、待たない。
諦めるわけじゃない。
莉央を探す。
どこにいるのか分からなくても。
何ヶ月かかっても。
何年かかっても。
今度は、自分から会いに行く。
「……俺が、莉央のところに行く」
そう呟いた。
このときの俺は、まだ知らなかった。
自分が諦めずに探し続けた先で――
もう二度と会えないと思っていた莉央と
再会をすることを。
蓮side end
蓮side
翌朝。
莉央にメッセージを送った。
『昨日のこと、ちゃんと話したい』
既読はつかなかった。
昼になっても。
夜になっても。
次の日になっても。
既読はつかなかった。
電話をかけても繋がらない。
紗季ちゃんは莉央の居場所を頑なに教えてくれないし。 共通の友人に聞いても、誰も知らなかった。
そして一週間が過ぎた。
二週間。
一ヶ月。
莉央からの連絡は、一度もなかった。
でも──
ある夜。
ふと電話でのやり取りを思い出した。
『本当は、追いかけてほしかった』
あのときの莉央の言葉。
「……俺」
蓮は俯いた。
「何してたんだろ」
待つ。
それが莉央のためだと思っていた。
莉央が更に離れないように。
莉央が戻ってくるまで、何もせずに待つ。
それが優しさだと思っていた。
でも違った。
莉央はずっと、
「追いかけてほしい」
と言っていた。
「会いたい」
と言っていた。
それなのに自分は、
「待つから」
と言って、莉央を一人にした。
追いかけようとした時にはもう…遅かった。
「……待ってるだけじゃ」
声が震える。
「ダメだったんだ」
目から涙が落ちる。
「最初から俺が…行けば…よかった」
俺が莉央を追いかけると決めたときには、
…もう遅かった。
もっと早く、俺から追いかけていればよかった。
莉央が俺のことを信じられなくなる前に。
一人で離れることを決めてしまう前に。
最初から、俺が逃げずに追いかけていれば――。
莉央のところへ。
何度拒まれても。
何度「嫌だ」と言われても。
離れようとしている莉央を、何度でも追いかけて手を差し伸べればよかった。
「……ごめん」
誰もいない部屋で呟く。
「莉央……ごめん」
スマホを握りしめる。
もう一度だけ、電話をかける。
――繋がらない。
「……会いたい」
その言葉が、静かな部屋に落ちた。
そして俺は決めた。
もう、待たない。
諦めるわけじゃない。
莉央を探す。
どこにいるのか分からなくても。
何ヶ月かかっても。
何年かかっても。
今度は、自分から会いに行く。
「……俺が、莉央のところに行く」
そう呟いた。
このときの俺は、まだ知らなかった。
自分が諦めずに探し続けた先で――
もう二度と会えないと思っていた莉央と
再会をすることを。
蓮side end
