『もう、好きじゃないことにした』


「今は?」

美玲さんが聞く。

蓮は少しだけ笑った。

「今は……」


それ以上聞けなかった。

その場から逃げるように、背を向けた。

「……やっぱり」

涙が落ちる。

「やっぱり、私のことは……」

来なければよかった。

会わなければよかった。

期待しなければよかった。

早めに行かなければよかった。




蓮が待ってくれるって言ったから。

もしかしたら。

もう一度やり直せるかもしれないって。

そう思ってしまった。

でも。

――やっぱり、私じゃ無理なのかな、。





私はいつの間にか駅へ戻っていた。

スマホが鳴る。

蓮からだった。

『どこいる?』

『俺、駅までいくよ!』

私は画面を見つめた。

そして。

『ごめん』

とだけ送った。

蓮からすぐに返事が来る。

『??何が?』

『やっぱり、帰らない』

『……え?』

『ごめんね』

『莉央、どうした?』

返信できなかった。


そのまま私は携帯の電源を切った。