『もう、好きじゃないことにした』


「あ!れ…」

足が止まった。
名前を呼ぼうとしたら蓮と女の人が立っている。

「……」

女の人がゆっくり顔を上げる。


そこにいたのは、

蓮と…


そして。

隣には。

…美玲さんがいた。

二人で向かい合って話している。

足が動かなくなる。

――なんで。

美玲さんが蓮に紙袋を渡していた。
蓮が何か言ってるけどうまく聞き取れない。


「……本当に?」
美玲さんが蓮を見る。

「ああ」

美玲さんはそれを受け取った。

そのやりとりはよく見えなかった。

ただ。

二人が、とても自然に話していることだけが分かった。

美玲さんが笑う。

「蓮、変わったね」

「そう?」

「うん。昔はもっと可愛かった」

「……昔の話だろ」

「でも、私のこと大事だったでしょ??」

蓮は少し黙った。

「……大事だったよ」

胸が締め付けられた。

――大事だった。

その言葉だけが頭に残った。