『もう、好きじゃないことにした』


***

その夜。

寝る準備を終えて、寝室に向かう。

ベッドの隣には、莉央が置いていった小さなクッション。

何気なく触れる。

「……会いてえ」

誰もいない部屋で、初めて口にした。

「……莉央に会いたい」

スマホを開く。

莉央とのトーク画面。

最後のメッセージは、三日前。

俺が送った、

『おやすみ』

だった。

返信はない。

文字を打つ。
『今から会いに行ってもいい?』
……消す。

『寂しい』
……消す。

『声聞きたい』
……消す。

『いつ帰ってくる?』
……消す。


最後に。

『元気?』

と打った。

送信ボタンを押す前に、また消した。

「……何やってんだよ、俺」

スマホをベッドに放り投げる。

そして、顔を覆った。

「待つって言っただろ……」


蓮side end