『もう、好きじゃないことにした』


***

二週間目。

俺は仕事中もスマホを気にしていた。

「蓮くん、今日どうしたの?」

紗季ちゃんに声をかけられる。

「別に」

「さっきからスマホばっか見てるし、もしかして莉央…?」

「……連絡来ないだけ」

「あー……」

紗季ちゃんは少し静かになったあと口を開いた。

「会いに行けばいいんじゃない?」


俺はすぐに首を振った。


「行けない」

「なんで?」

「俺、待つって言ったから」

「でも心配なんでしょ?」

「……心配だよ」

「じゃあ行けばいいじゃんっ!」

「それやったら、俺が莉央の『時間がほしい』って気持ちを無視することになる」

紗季ちゃんはよく分からなそうに首を傾げ「それでいいならいいけど…」と仕事に戻った。

スマホを見る。

また既読がついていない。


「……俺が我慢すればいいだけだから」


そう呟いた。

でも。

本当は。

我慢なんてできていなかった。