「……あれ?」 私は、ふと顔を上げた。 見覚えのある場所だった。 「ここ……」 蓮が足を止める。 「覚えてる?」 「……うん」 そこは、初めて蓮と出会った一ツ葉(ヒトツバ)公園だった。 あの日も、雨が降っていた。 私がここで雨宿りして、そしたら蓮が通って。 ひとつの傘に一緒に入って。 あのときは、ただの帰り道だった。 でも今思えば―― 二人の時間が始まった、大切な場所だった。