『もう、好きじゃないことにした』



「……ありがとう」

涙で滲んだ視界の中で、蓮の顔を見る。

いつもみたいに笑っている。

でも。

今まで見たどの笑顔よりも、優しく見えた。

「明日もバイト?」

「……うん」

「じゃあ、終わったら連絡して」

「え?」

「迎えに行くから」

「でも、大丈夫だよ」

「俺が行きたいだけ」

「……」

「だから、気にしなくていい」

そう言って、蓮は笑った。

胸の奥が、きゅっと締まった。

さっきまで苦しかったのに。

蓮が隣にいるだけで、少しずつ安心していく。

「……本当に来てくれる?」

「うん」

「……ありがとう」

「どういたしまして」



帰り道。



私は何度も、蓮の言葉を思い出していた。

――ちゃんと味方いるから。

その言葉が、ずっと胸に残っていた。