孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする

シアを守ってくれると言うダルにシアは全てを託す決心をした。

「わかった。私もう逃げない。今度シャドーが来たら戦うわ」

「それでこそ俺のシアだ。じゃあこれ受け取ってくれるね」

そう言うとダルは箱を開けて指輪を取り出した。

真ん中にはダルの瞳のようなサファイヤが輝いている。

サファイヤの回りをダイヤモンドがぐるっと囲っている。

それが二連のリングが交差するところに燦然と輝いているのだ。

リングはプラチナだろう。いったいいくらの価値があるのかわからない。

シアはこんな高価な指輪を貰っていいのかもわからない。

「これは母の物なんだ。シアは嫌かい?できれば代々受け継いでいければいいと思っているんだ。父が母との婚約の時に特別に作らせたそうなんだ。サファイヤも最上級の物だって言ってた。父も瞳の色は俺と同じ色だったから…」

「ううん、嬉しいわ。お母様の物を頂けるなんて最高に幸せよ」

「よかった」

そう言うとダルはシアの左手の薬指にそっとその指輪をはめてくれた。

サイズはぴったりだった。

「サイズはぴったりだね。シアに合わせて作ったみたいだ」

「フフ、嬉しいわ。お母様にお礼を言わないと今度お墓参りに行きたいわ。私の両親のお墓はないけれどケイパック家のお墓はこの近くにあるの?」

「うん湖の反対側にあるんだ。今度連れて行くよ。それに母の宝石は他にもたくさんあるんだ。みんなシアに使って欲しい。母親もきっと喜ぶよ。シアに会わせたかった」

「私もお会いしたかったわ。でも宝石なんか付けたこともないしそんな機会もないからきっと使いこなせないわ」

「何言っているんだ。ケイパックコンチェルンのパーテイも年に二回くらいはあるし、競馬を見に行く時にも付ければいいんだよ」

「ちょっとまって、パーテイって何?そんな大げさな所に私なんかふさわしくないわ」

「こらっ、ケイパックコンチェルンのトップの奥様なんだから、なんかなんて言うな。少しずつでいいから慣れていけばいいんだよ」

「ええっ、本当にできるようになるかしら?」

シアは大きな目を開いて心配そうにダルに尋ねた。