孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする

ダルは優しかった。

痛くないかと何度も心配して声を掛けてくれたが、快感に染まって言葉にならなかった。

ダルはキチンと避妊をしてくれた。

シアが子供を持つことを極端に怖がっているのを知っているからだ。

結婚もするつもりはない事も…

でもダルを拒むことはできなかった。

自分の初めての経験がダルだなんて、どんなに贅沢な事なのかは分かっている。

住む世界も金銭感覚も何もかも違っているのに、こんなシアを求めてくれるダル。

昨日はシアが何をしても可愛い可愛いと言って憚らなかったダル

シアにはこんな自分のどこが良いのかはっきり言ってわからない。

でもダルが求めてくれるならシアは差し出すだけだ。

ダルを大好きだからダルを愛しているから…

シアは初めて男性をこんなに愛おしいと思った。

叶わない初恋なのだ。

あまりにもダルの周りにいる女性達と違うシアが珍しいのだろう。

いつかダルがはっと気が付いて、自分の世界に相応しくないシアの事を鬱陶しく思うかもしれない。

その時は潔く身を引こう。

厚かましくみっともなくダルに縋るのは絶対にしたくない。

だから今を楽しむことにしたのだ。

ダルの愛情を受けて今はただ輝いていたい。

ダルの温かい手に包まれながらシアはそう思っていた。