孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする

シアはまず大きなキッチンの鉄板の前にいるシェフに目を見張った。

まるで鉄板焼きのレストランに来たようだ。行った事はないけど…

鉄板の前のカウンターに二人分のカトラリーや食器がセットされていた。

シアはシェフが作ってくれる料理に大感激したのだった。

ロブスターにホタテに新鮮な焼き野菜、それにかけられているシェフ特製のオリジナルソースが絶品なのだ。

何種類ものソースが綺麗に盛り付けられたお皿に芸術的にかけられている。

シアは何度も“美味しい”“きれい”“芸術的”の言葉を繰り返して本当に美味しそうに料理を食べている。

シェフはこんなに楽しく料理をさせてもらったのは初めてだと言って喜んでいた。

キャッスルホテルには鉄板焼きのレストランはないそうだ。

あまりにシアが美味しい美味しいと言うので、ダルはシェフに“鉄板焼きのコーナーも作るか?“と言っていた。

デザートはクレープシュゼットだそうで、日没には少し早いのでデザートをゆっくり頂くことになった。

シェフがデッキのテーブルにクレープにオレンジがかかったお皿が置かれ、グランマニエに火がつけられてクレープに注がれる。

オレンジがちょっととろけて美味しそうなクレープシュゼットが出来上がった。

デザートを満喫しワインを飲みながらゆっくりと湖に沈みゆく夕陽を眺めていた。

夕陽は湖面に橙色の光を投げかけて湖面をゆらゆらと揺らしながら空を茜色に染めて沈んでいった。

息をするのも忘れてしまい見入っているシアに

「シア息をしないと窒息してしまうよ」

ダルはそう言って笑っていた。