孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする

建物の裏側に厩舎はあった。

東向きの厩舎は午前中陽がしっかり入って気持ちよさそうだ。

今はロンバスだけしかいないけれど、二~三頭は入れるほど大きくてきちんと手入れがされている。

「ロンバスこんにちは、今日はお邪魔するわね。ロブはお留守番なのよ。また今度一緒に遊びましょうね」

シアはひとしきりロンバスの鼻や耳の後ろを撫でていたが、ダルに即されて家の中に入って行った。

まず大きな真鍮製の重そうな玄関ドアがダルがピッとどこかに手をかざしたら内側に開いたのには驚いた。

高さ三メートルはあるだろう大きなドアを入ると玄関ホールも広かった。

天井にはドアとよく似た真鍮製のモダンなシャンデリアが光を放っていた。

ダルが室内履きに履き替えたのには驚いた。

シアにもスリッパを出してくれた。

「ここを設計したのが日本人だったんで家の中に土足で入るのはあまりお勧めしないと言われたんだ。特にスコットランドの秋冬は雨や雪がよく降るので、汚れた靴で家中歩き回って床を汚したりするしブーツや濡れた靴を履いていてはリラックスできないだろうと言われて、室内履きを採用したんだ。ここで仕事をしている者も皆自分の靴を室内履き用に用意している。お客さまには土足でもどちらでも好きにしてもらっているんだ」

「今日はスニーカーなのでそのままでもいいですか?」

「もちろんだ、こちらが事務所になっているんだ。ロナウド達がまだ仕事をしてるけれどもう終わる頃だ」

そう言って事務所エリアのドアを開けてくれた。

シアはロナウドには初めて会う。

事務所は沢山のパソコンと大きなモニターに数字が書かれたものが映っていてどんどん流れて行っている。