孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする

辛い話だったが、ダルが聞き上手で最後に楽しく締めくくる事が出来てシアは話してよかったと言う思いと心が軽くなるのを感じた。

二人は馬に乗っているよりも湖畔のベンチに座って話している方が長かった。

でもその後もう少し森を走って湖の高低差がない部分まで馬を走らせて二頭の馬に水を飲ませた。

ロブも嬉しそうに湖に入って行って泳いでいた。

ダルが枯れ枝を湖に投げるとロブはそれを咥えて戻って来てダルの前に落として、また投げろと言うように期待のこもった目でダルを見上げていた。

ダルとロブはそんな遊びをしばらく楽しんでいた。

日が傾いてきたので、ホースセンターに帰る事にした。

「シア今日は楽しかった。今度自宅に食事に来ないか?家からの湖の眺めも素晴らしいんだ。特に日没が美しいよ」

「いいんですか?嬉しいです」

次の約束ができてシアはそれだけで幸せだった。

ダルはホースセンターまでシアを送ってくれた。

シアは馬を返して自転車に乗ってロブと一緒に家に帰ってきた。

シアはダルに惹かれているのを感じていた。

でも自分は結婚も恋愛もしないと決めている。

ホーク家の魔女は自分で最後にしなければならない。

もうシャドーに追われて家族がバラバラになるのは嫌だ。

シアにとってダルは気持ちを持っていかれそうな危険な存在だが、ダルは美しいうえになんでも持っていて何でも手に入る極上の男性なのだ。

シアに恋愛感情なんて持つはずがない。

好意を感じてもらえるくらいが関の山だろう。

シアはダルと気楽な友情をはぐくめればそれで十分だと思っている。