年が明けて、街はまだお正月の空気に包まれていた。
吐く息は白く、夜の冷たさは冬のままなのに、どこか新しいはじまりの匂いがする。
ひまりは待ち合わせ場所で、両手をコートの袖に隠しながらそわそわしていた。
今日は蓮と初詣に行く約束をしている。
少しして人混みの向こうから蓮が歩いてくるのが見えた。
目が合った瞬間、ひまりの胸がふわっとあたたかくなる。
「待った?」
「ううん、今来たとこ」
そう答えると、蓮は当然みたいにひまりの手を取った。
冬の夜の中でも、その手はちゃんとあたたかい。
「行くぞ」
「うん」
神社へ向かう道には屋台が並び、にぎやかな声があちこちから聞こえてくる。
でもひまりにとっては、その全部より、隣を歩く蓮の存在のほうがずっと大きかった。
参道をゆっくり進みながら、ひまりは少しだけ顔を上げる。
「こうして新年すぐ会えるの、うれしい」
すると蓮がわずかに目を細めた。
「俺も」
短いけれど、まっすぐな声だった。
人が多くなってきたところで、蓮の手に少し力がこもる。
はぐれないように。
それと同時に、離したくないみたいに。
ひまりはそのぬくもりに、そっと指を絡め返した。
蓮が一瞬だけこちらを見る。
その目が少しやわらいで、ひまりはそれだけで幸せになれた。
吐く息は白く、夜の冷たさは冬のままなのに、どこか新しいはじまりの匂いがする。
ひまりは待ち合わせ場所で、両手をコートの袖に隠しながらそわそわしていた。
今日は蓮と初詣に行く約束をしている。
少しして人混みの向こうから蓮が歩いてくるのが見えた。
目が合った瞬間、ひまりの胸がふわっとあたたかくなる。
「待った?」
「ううん、今来たとこ」
そう答えると、蓮は当然みたいにひまりの手を取った。
冬の夜の中でも、その手はちゃんとあたたかい。
「行くぞ」
「うん」
神社へ向かう道には屋台が並び、にぎやかな声があちこちから聞こえてくる。
でもひまりにとっては、その全部より、隣を歩く蓮の存在のほうがずっと大きかった。
参道をゆっくり進みながら、ひまりは少しだけ顔を上げる。
「こうして新年すぐ会えるの、うれしい」
すると蓮がわずかに目を細めた。
「俺も」
短いけれど、まっすぐな声だった。
人が多くなってきたところで、蓮の手に少し力がこもる。
はぐれないように。
それと同時に、離したくないみたいに。
ひまりはそのぬくもりに、そっと指を絡め返した。
蓮が一瞬だけこちらを見る。
その目が少しやわらいで、ひまりはそれだけで幸せになれた。



