「なんて話した」
「なんてって、これ先生にって言われただけだよ」
「それだけ?」
「それだけ」
「笑った?」
「……少し」
正直に言った瞬間、蓮が深く息を吐いた。
「ひまり」
「ご、ごめん」
「謝るな」
蓮はひまりの頬に触れながら、苦しそうに言う。
「おまえ悪くないのに、勝手に嫉妬してる俺がだめなだけ」
その言い方が切なくて、ひまりの胸がきゅっとなる。
「でも、少しくらいならいいよ」
「何が」
「嫉妬」
蓮が目を見開く。
ひまりは恥ずかしくなりながらも、ちゃんと言葉を続けた。
「蓮が私のこと好きなんだって、わかるから」
その瞬間、蓮の表情が変わった。
甘くて、熱くて、少し危ない顔。
「それ、わかって言ってる?」
「え」
「煽ってるようにしか聞こえない」
ひまりは一気に真っ赤になる。
「そんなつもりじゃ」
「でも無理」
蓮の手が、ひまりの腰をゆっくり引き寄せる。
気づけば、ほとんど蓮の膝に乗るみたいな距離だった。
「れん、近い」
「近づけた」
「言い方……」
困っているのに、逃げたくない。
そんなひまりを見つめながら、蓮は静かに聞いた。
「キスしていい」
ひまりの心臓が大きく跳ねる。
家で。
二人きりで。
そんな状況で聞かれたら、平気でいられるわけがない。
それでも、ひまりは小さくうなずいた。
その返事を見た蓮が、ひどくやさしい顔になる。
指先で頬をなでてから、そっと唇が重なった。
最初はやわらかく、触れるだけ。
でも一度離れたあと、蓮はひまりの目を見たまま、また近づいてくる。
二度目のキスは、さっきより長かった。
あたたかくて、甘くて、くらくらする。
「ん……」
ひまりの声が小さくこぼれると、蓮の腕にぐっと力が入る。
けれど無理に深くはせず、ただ何度も大事そうに口づけてくる。
短いキスを重ねるたびに、好きが増えていくみたいだった。
やがて唇が離れても、蓮はすぐには距離を取らなかった。
額を合わせて、少し乱れた呼吸のままつぶやく。
「かわいい」
「……もうやだ」
「なんで」
「恥ずかしいもん」
蓮は少し笑って、ひまりの頬にまた触れる。
「俺はもっとしたい」
その一言に、ひまりの顔がさらに熱くなる。
「でも、今日はここまで」
「え」
「止まれなくなる前にやめる」
あまりにも正直で、ひまりは何も言えなくなる。
蓮はひまりを抱きしめるように引き寄せると、そのまま耳元でささやいた。
「次はもう少し覚悟して」
「か、覚悟って何」
「ひみつ」
絶対にひみつじゃない顔で言うから、ひまりはますます困ってしまう。
それでも、蓮の胸に包まれていると、不思議と安心した。
強くて、重くて、でも誰よりやさしい。
こんなふうに愛されるのは、きっと幸せなことなんだと思う。
窓から差しこむ午後の光の中、蓮はひまりの髪にそっと口づける。
「次は泊まってく?」
「む、無理!」
即答すると、蓮が少しだけ笑った。
「だよな」
「からかわないで」
「半分本気」
「半分でもだめ」
そんなやり取りに、蓮は珍しく声を立てて笑った。
その笑顔を見て、ひまりもつられて笑う。
甘くて、近くて、少しだけ危ない。
でもとびきり幸せな、初めてのおうちデートだった。
「なんてって、これ先生にって言われただけだよ」
「それだけ?」
「それだけ」
「笑った?」
「……少し」
正直に言った瞬間、蓮が深く息を吐いた。
「ひまり」
「ご、ごめん」
「謝るな」
蓮はひまりの頬に触れながら、苦しそうに言う。
「おまえ悪くないのに、勝手に嫉妬してる俺がだめなだけ」
その言い方が切なくて、ひまりの胸がきゅっとなる。
「でも、少しくらいならいいよ」
「何が」
「嫉妬」
蓮が目を見開く。
ひまりは恥ずかしくなりながらも、ちゃんと言葉を続けた。
「蓮が私のこと好きなんだって、わかるから」
その瞬間、蓮の表情が変わった。
甘くて、熱くて、少し危ない顔。
「それ、わかって言ってる?」
「え」
「煽ってるようにしか聞こえない」
ひまりは一気に真っ赤になる。
「そんなつもりじゃ」
「でも無理」
蓮の手が、ひまりの腰をゆっくり引き寄せる。
気づけば、ほとんど蓮の膝に乗るみたいな距離だった。
「れん、近い」
「近づけた」
「言い方……」
困っているのに、逃げたくない。
そんなひまりを見つめながら、蓮は静かに聞いた。
「キスしていい」
ひまりの心臓が大きく跳ねる。
家で。
二人きりで。
そんな状況で聞かれたら、平気でいられるわけがない。
それでも、ひまりは小さくうなずいた。
その返事を見た蓮が、ひどくやさしい顔になる。
指先で頬をなでてから、そっと唇が重なった。
最初はやわらかく、触れるだけ。
でも一度離れたあと、蓮はひまりの目を見たまま、また近づいてくる。
二度目のキスは、さっきより長かった。
あたたかくて、甘くて、くらくらする。
「ん……」
ひまりの声が小さくこぼれると、蓮の腕にぐっと力が入る。
けれど無理に深くはせず、ただ何度も大事そうに口づけてくる。
短いキスを重ねるたびに、好きが増えていくみたいだった。
やがて唇が離れても、蓮はすぐには距離を取らなかった。
額を合わせて、少し乱れた呼吸のままつぶやく。
「かわいい」
「……もうやだ」
「なんで」
「恥ずかしいもん」
蓮は少し笑って、ひまりの頬にまた触れる。
「俺はもっとしたい」
その一言に、ひまりの顔がさらに熱くなる。
「でも、今日はここまで」
「え」
「止まれなくなる前にやめる」
あまりにも正直で、ひまりは何も言えなくなる。
蓮はひまりを抱きしめるように引き寄せると、そのまま耳元でささやいた。
「次はもう少し覚悟して」
「か、覚悟って何」
「ひみつ」
絶対にひみつじゃない顔で言うから、ひまりはますます困ってしまう。
それでも、蓮の胸に包まれていると、不思議と安心した。
強くて、重くて、でも誰よりやさしい。
こんなふうに愛されるのは、きっと幸せなことなんだと思う。
窓から差しこむ午後の光の中、蓮はひまりの髪にそっと口づける。
「次は泊まってく?」
「む、無理!」
即答すると、蓮が少しだけ笑った。
「だよな」
「からかわないで」
「半分本気」
「半分でもだめ」
そんなやり取りに、蓮は珍しく声を立てて笑った。
その笑顔を見て、ひまりもつられて笑う。
甘くて、近くて、少しだけ危ない。
でもとびきり幸せな、初めてのおうちデートだった。



