そっと指先が、レナールの頬をなぞっていく。
あまり気持ちのいい光景ではない。
そのまま唇に辿り着き、そのラインを辿るかと思われたが、それよりも早くにその白い指先は横から伸びてきた手によって握り込まれた。
「公爵夫人、申し訳ありませんが――」
レナールの手が、静かにその指を、自分の顔から離していく。
「俺は誰とも結婚する気はありません。あなたを不幸にはしたくないのです」
「あら?」
とはいえ、夫人にとってこの言葉でかわされるのは、予想の範囲だったのだろう。テディス公爵夫人は、百戦錬磨の微笑みを浮かべると、もう片手を首へと回していく。
「では、もっとオシャレな関係を楽しむのはどうかしら?」
「オシャレ?」
さすがに、この言葉はレナールにとっては予想外だったようだ。公爵夫人の片手を握ったまま、真意を問うように見つめている。
その瞳に視線を合わせ、公爵夫人は挑発的に笑った。
「そう――いわゆる一夜の夢ですわ。今はただ、情熱的にお互いに楽しみたい。それだけではいかがかしら?」
あまり気持ちのいい光景ではない。
そのまま唇に辿り着き、そのラインを辿るかと思われたが、それよりも早くにその白い指先は横から伸びてきた手によって握り込まれた。
「公爵夫人、申し訳ありませんが――」
レナールの手が、静かにその指を、自分の顔から離していく。
「俺は誰とも結婚する気はありません。あなたを不幸にはしたくないのです」
「あら?」
とはいえ、夫人にとってこの言葉でかわされるのは、予想の範囲だったのだろう。テディス公爵夫人は、百戦錬磨の微笑みを浮かべると、もう片手を首へと回していく。
「では、もっとオシャレな関係を楽しむのはどうかしら?」
「オシャレ?」
さすがに、この言葉はレナールにとっては予想外だったようだ。公爵夫人の片手を握ったまま、真意を問うように見つめている。
その瞳に視線を合わせ、公爵夫人は挑発的に笑った。
「そう――いわゆる一夜の夢ですわ。今はただ、情熱的にお互いに楽しみたい。それだけではいかがかしら?」
