引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

「それは、やはり、直接会って話すことだと思いますわ。でも、 昼間会ったばかりで、あんなことを言われたあとでは、おそらく避けられると思いますし……」

 頬に手をあてたままルイサは、困ったように俯いている。それに、なるほど、とアレッシェラは頷いた。

「つまり、避けられないように行けばいいということだ。よし、今から行こう!」

「え、ちょっと! 今は、おそらく就寝時間で……」

「婚約者が夜に忍んできた。結婚したくない男ならば、騒ぎ立てて墓穴を掘らないのに決まっている!」

 好きな人を手に入れたシモンヌの行動力を見習わなければ――と立ち上がる。すると、側でルイサは、目をパチパチとさせた。

「お、お待ちください、アレッシェラ様。それは、世間一般的には夜這いというのでは……!」

「今回、これぐらいの行動力は必要だろう!」

 慌てるルイサを尻目に、そのままアレッシェラは、先ほどの夕食の時に話題に出たレナールの部屋に通じる方向へと歩きだした。