どうして、アレッシェラを避けていたレナールがこれほど焦っているのか。
わからなくて、アレッシェラの瞳を覗き込む目をジッと見つめる。
「レナール様?」
「戻ってきて、あなたの姿が見えないから近くに残っていた人に訊けば、服装が下町の者らしき男に押されるようにして歩いていったと聞いて……! 急いで探知魔法を使いましたが、年頃の令嬢のあなたを一人残すのではなかったと、どれだけ心配したか!」
「心配……してくれたのか」
じっと青紫の瞳を見つめながら、その言葉を繰り返す。
「当たり前です! 美しい令嬢を拐かそうと企む者たちも多いのです! 今回の火事騒ぎだって、ひょっとしてそれを狙って行ったのかもしれないと気になって……!」
(嬉しい)
嘘偽りのない感情が芽生えてくる。
大聖女ではないアレッシェラを心の底から案じてくれた。自分にまっすぐに向けられてくる感情が、どれだけ嬉しいものか――。
(こんな眼差しを向けられたのは、久しぶりだ。私自身をその瞳に映してくれている)
ずっとほしかったものに違いない。だから、にっこりと笑った。
わからなくて、アレッシェラの瞳を覗き込む目をジッと見つめる。
「レナール様?」
「戻ってきて、あなたの姿が見えないから近くに残っていた人に訊けば、服装が下町の者らしき男に押されるようにして歩いていったと聞いて……! 急いで探知魔法を使いましたが、年頃の令嬢のあなたを一人残すのではなかったと、どれだけ心配したか!」
「心配……してくれたのか」
じっと青紫の瞳を見つめながら、その言葉を繰り返す。
「当たり前です! 美しい令嬢を拐かそうと企む者たちも多いのです! 今回の火事騒ぎだって、ひょっとしてそれを狙って行ったのかもしれないと気になって……!」
(嬉しい)
嘘偽りのない感情が芽生えてくる。
大聖女ではないアレッシェラを心の底から案じてくれた。自分にまっすぐに向けられてくる感情が、どれだけ嬉しいものか――。
(こんな眼差しを向けられたのは、久しぶりだ。私自身をその瞳に映してくれている)
ずっとほしかったものに違いない。だから、にっこりと笑った。
