しばらく考え、スッと眼差しを細くした。そして、威圧を与えるように、二人の姿を眺める。
「ほう――ダリオ殿下の女癖が悪いというのは、最初から知っていた事実だが。今、私に頭を下げるとは、どうやら聞いていた報告は本当らしいな」
立った姿勢のまま、腕を組んで、目の前にいる二人を見下ろす。その紅紫色の眼差しは、初めてダリオ殿下と会った時と同じく大聖女としてのものだ。微かな風に、薄い金色の髪をさらりと流しながら見下ろすと、目の前に座ったダリオ殿下は、明らかにびくっと体を強張らせた。
「たしか私との婚約話が出た時に、今までの女性関係はすべて清算する。これからは決して浮気はしないと誓っていたと思うのだが――どうやら現状は違うことになっているようだな」
そう半月ほど前の縁談が出た時に、ダリオ殿下が婚約の申し込みと同時に神殿で誓っていた言葉を口にすると、ふだんは世の女性に甘い言葉ばかりを囁いているだろう唇が、一瞬息が詰まったように音を途切れさせた。
「あ……、それについては……」
一瞬伏せたダリオ殿下の目が、窺うようにアレッシェラに向けられる。
困惑するような視線に、敢えて厳しい眼差しを向けた。
「まさか、このソ・レイジェラ山の大聖女アレッシェラを堂々と謀ったのか?」
どうやら今の様子だと、子供ができたことに責任を取るつもりはあるみたいだ。とはいえ、アレッシェラに誓ったことを反故にして、帝国とソ・レイジェラに恥を掻かせたことをどれだけ重く受け止めているのか――。
一歩間違えば、大聖女への不敬罪で、その女性共々帝国に罰せられる内容だ。
「ほう――ダリオ殿下の女癖が悪いというのは、最初から知っていた事実だが。今、私に頭を下げるとは、どうやら聞いていた報告は本当らしいな」
立った姿勢のまま、腕を組んで、目の前にいる二人を見下ろす。その紅紫色の眼差しは、初めてダリオ殿下と会った時と同じく大聖女としてのものだ。微かな風に、薄い金色の髪をさらりと流しながら見下ろすと、目の前に座ったダリオ殿下は、明らかにびくっと体を強張らせた。
「たしか私との婚約話が出た時に、今までの女性関係はすべて清算する。これからは決して浮気はしないと誓っていたと思うのだが――どうやら現状は違うことになっているようだな」
そう半月ほど前の縁談が出た時に、ダリオ殿下が婚約の申し込みと同時に神殿で誓っていた言葉を口にすると、ふだんは世の女性に甘い言葉ばかりを囁いているだろう唇が、一瞬息が詰まったように音を途切れさせた。
「あ……、それについては……」
一瞬伏せたダリオ殿下の目が、窺うようにアレッシェラに向けられる。
困惑するような視線に、敢えて厳しい眼差しを向けた。
「まさか、このソ・レイジェラ山の大聖女アレッシェラを堂々と謀ったのか?」
どうやら今の様子だと、子供ができたことに責任を取るつもりはあるみたいだ。とはいえ、アレッシェラに誓ったことを反故にして、帝国とソ・レイジェラに恥を掻かせたことをどれだけ重く受け止めているのか――。
一歩間違えば、大聖女への不敬罪で、その女性共々帝国に罰せられる内容だ。
