引き裂かれた恋人を捜す大聖女は、生贄となる結婚をすることになりました! ~大聖女でもスパダリと言われるので、そう簡単には負けません~

『大聖女アレッシェラ。あなたには、運命の相手がいるのです。その記憶を少しだけ覚えているのでしょう』

『運命の相手?』

『ええ、同じ時に誕生するのには、いささか問題があったので、今しばし生まれるのを待っていてくださいね』

 華やかに笑いながら告げられた。その相手が、やっとそろそろ巡り会える時期なはずだという――。

(だから、ダリオ殿下が夢に出てきた相手なのかどうか、見極めようと思っていたのだが……)

 どうも違うような気がする。

「あーあ。あの夢の人はどこにいるのか……」

(会えれば、なにがあったのかは知らないが、誤解だったと伝えたいのに……)

 頬杖をついて、空中に座り込む。アレッシェラだけを、ただ好きすぎて、どうしようもなかったと言っていた相手。だけど、そもそもどこで会ったのかもわからない。

 大聖女として生まれる前に、魂が隣接する精霊界などを転移していた時に会ったのだろうか。