どうして、グラフォーレ領に、ダリオ殿下がいるのか。
ダリオ殿下は、付き合っていた女性が身ごもっているという疑いが出るのと同時に、行方をくらましたはずだ。
今も皇帝と帝国にある神殿が日夜捜しているというのに、その行方は掴めてはいなかった。
関所の近くでそれらしい人物の目撃があったので、帝国を出た可能性があるというのが、ここに来るまでにあった最新の知らせだが、それがなぜ今グラフォーレ領にきているのか。
ごくりと唾を飲み込んだ。その前で、ダリオ殿下はアレッシェラを見つめると、突然地面に両手をついた。
「すまない! 俺は女性関係で、君に申し開きのできないことをした!」
一番に告げたのは、謝罪の言葉だ。深々と頭を下げて地面に土下座をしている姿からは、以前の色男ぶりは窺えない。
「だから、どうか、俺との婚約の話はなかったことにしてくれ!」
額を地面につけながら叫ぶ声に、隣に座っていた女性も、庭に膝をついて慌てて頭を下げている。
「シモンヌ、お前はおなかに障るから」
「いえ、私も謝らなければならないことですので」
どうやら、報告にあったことは間違ってはいなかったらしい。
ダリオ殿下も、シモンヌのことをどこかで知って、そのあとを追いかけたようだ。とはいえ、この二人はどこまで今の事態がわかっているのか。
(帝国中から命を狙われかねないことになったというのに――)
ダリオ殿下は、付き合っていた女性が身ごもっているという疑いが出るのと同時に、行方をくらましたはずだ。
今も皇帝と帝国にある神殿が日夜捜しているというのに、その行方は掴めてはいなかった。
関所の近くでそれらしい人物の目撃があったので、帝国を出た可能性があるというのが、ここに来るまでにあった最新の知らせだが、それがなぜ今グラフォーレ領にきているのか。
ごくりと唾を飲み込んだ。その前で、ダリオ殿下はアレッシェラを見つめると、突然地面に両手をついた。
「すまない! 俺は女性関係で、君に申し開きのできないことをした!」
一番に告げたのは、謝罪の言葉だ。深々と頭を下げて地面に土下座をしている姿からは、以前の色男ぶりは窺えない。
「だから、どうか、俺との婚約の話はなかったことにしてくれ!」
額を地面につけながら叫ぶ声に、隣に座っていた女性も、庭に膝をついて慌てて頭を下げている。
「シモンヌ、お前はおなかに障るから」
「いえ、私も謝らなければならないことですので」
どうやら、報告にあったことは間違ってはいなかったらしい。
ダリオ殿下も、シモンヌのことをどこかで知って、そのあとを追いかけたようだ。とはいえ、この二人はどこまで今の事態がわかっているのか。
(帝国中から命を狙われかねないことになったというのに――)
