引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~


「ああ。向こうに展示されている投石機に触って遊んでいて、石を投げてしまったらしい。ガラスが割れたのを見て、真っ青になって立ち尽くしていたよ」

「ごめんなさい。まさか、そんな方向に石が飛んでいくとは思わなくて……」

「もっと手前で落ちると思っていたの」

 襟を掴まれた二人の幼い子供たちは、大粒の涙をこぼしている。

 その姿に、レナールは身を屈めた。

「そうか。展示物の中には危ないものもあるから、それには触らないようにと書いてあるけれど、まだ字が読めない歳だよな。これからは気をつけてくれ」

 そう言いながら、泣いている子供たちの頭を広い手のひらで撫でてやっている。子供たちが涙をこぼしながら、こくんと頷いた。

「ところで、兄上――」

 子供たちに向けていた柔らかな視線を、側に立ったままのモーリスに向ける。

「どうして、ここにおられるのですか?」

「え?」

 その言葉に、レナールの様子を見守っていたモーリスの笑顔が固まった。