引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~



「……こういう品にも、ご興味があるのですか?」

 アレッシェラが、あまりにも懐かしげに見ているので、そう勘違いしたのだろう。

「ああ、まあな」

 答えて、布を元に戻した。

 今日の目的は、レナールが自分の運命の相手かどうか見極めること。そして同時に、レナールを狙っている犯人についても探ることだった。

(頭を切り替えないとな――)

 あまりにも楽しかったので、つい昔を思い出していた。こんなふうに、神殿関係以外の者と気軽に言い合ったのは、かなり久しぶりだ。それが幼い頃の記憶を、さらに強く思い出させたのだろう。

「では、向こうの棟にもこういう昔の品がありますので、よければご案内をしますが」

 本当にアレッシェラが、気に入って眺めていたので、少し戸惑ったように誘っている。

 その声を聞きながら、アレッシェラが周囲にスッと視線を流せば、並べられた展示品の陰からは、幾人かがこちらの様子を窺っているようだ。

(ふむ、犯人が邪魔をしに来たか?)

 向こうからすれば、アレッシェラこそが邪魔者だろう。

(レナール様は、勘当されたとはいえグラフォーレ辺境伯の子息だから、博物館関係者や領民が、好奇心から見ている可能性もあるが……)

 どちらか見極める必要があるだろう。

(少し挑発をしてみるか)

 そう思い、レナールの服に包まれた腕を、突然アレッシェラは白い両手で取ってみせた。

「えっ!?」

 その突然のアレッシェラの行動に、レナールが横でひどく面食らって、大きな声をあげた。