引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

 だが普通の令嬢ならばともかく、原料が虫と知ったぐらいで驚きはしない。

「なるほど、虫か。人がよく着る絹も虫の吐いた糸で作られるからな」

 そうフッと笑えば、嫌がらなかったのが意外だったのだろう。

「虫は平気なのですか?」

「ああ、かわいい。バッタを使ったお菓子をお土産にもらった時は、さすがに食べられなかったが、蜂蜜は歓迎だし、飼うのも触るのも平気だ」

「体液もですか?」

「まあ、広義では触るだろう」

「それを触るに入れた人を初めて見ました」

 こちらを引かせるつもりだったのに、無理だと判断したらしい。がくっとレナールの肩が落ちた。

 その側で、アレッシェラはふと気になった布に目を留めた。

「こちらの布やそこにある機は? 昔この地で使われていたものなのか?」