引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実はスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

「では、二つ目の占いの謝礼として、明日、私に付き合ってくれ」

「え!?」

 まさか、謝礼を求められるとは思ってもいなかったのだろう。慌ててアレッシェラを見つめている。

「あの、これはお礼だったのでは……」

「ああ、もちろん」

 目を見開いているレナールに、にっこりと笑いかける。

「お礼にひとつ――と言ったとおりだ。だから、二つ目は、有償だ」

「あ――!」

 やられたという顔をしている。

「対価ならば、もちろん金銭という方法もあるが、折角グラフォーレ辺境伯が招いてくださったのだ。それならば、客人へのもてなしとして、領内の見所を案内してくれ」

 頼んだぞと明るく告げる。

「ち、ちょっと待ってください! お礼ならば一緒に出かけるのではなくても、ほかにも――」

「なにを言う。グラフォーレ辺境伯に呼ばれた用件について、息子のレナール様が断るというのだ。それならば、断るレナール様が、代わりに、私に相応のもてなしをして、誠意を見せるべきだろう」

 グラフォーレ辺境伯爵家の名折れとならないように――と明るく微笑むと、やられたというように、レナールは顔を上げて天井を仰いでいる。

「では、明日の朝九時に玄関で」

 そう微笑むと、断る隙も与えずに扉を開けて、アレッシェラは通された客間へと戻った。