引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実はスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

 レナールのその問いに、アレッシェラは少しだけ息を止めて首を傾げた。

(本当に知りたいのは、それか?)

 きっと口にした魔物のことも気にかかっているのだろう。けれど、訊くことすらためらった本当の質問は、自身の予言の真実ではないのだろうか。

 知りたくても、それは大聖女の占いと知らないレナールにとっては、軽々しく口にすることさえできないことなのに違いない。

 だから、再度アレッシェラはカードを広げた。

 再び円形に広がったカードが放つ輝きに、レナールが息を呑んで見つめている。

 まるで、この世の圧倒的な神秘が、カードに宿っているかのようだ。

「大丈夫だ。近々、その魔物は討たれていなくなるとカードに出ている」

 落ちてきたのは、魔獣が人々を襲う恐怖のカード。そして、盾と槍を持った戦士のカード、二人の人物が日向で座る平穏のカードだ。

 それをしばらく見つめ、レナールが静かに言葉を紡いだ。

「そう、ですか……。よかったです」

 細く微笑んだ姿は、ひどく複雑な表情だ。安堵と迷いと、機会を失ったなにかを惜しんでいるかのように瞳が揺れている。

 はかなげに笑うレナールの姿を見つめ、アレッシェラは明るく笑いかけた。