引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実はスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

「ですが、あまり多くは――」

「遠慮なく。もちろん、私も答える以上遠慮はしないので」

「それは――」

 冗談と思ったのだろう。少しだけレナールから笑みがこぼれた。

「なにか知りたいことは?」

 そう尋ねると、立ったまま、また少し黙り込んでいる。だが、その顔は、先ほどとは違い、ひどく迷っているようだ。

 まるで、本当に尋ねてもいいのかどうか、自分でも悩んでいるかのような――。

 ひどく、重苦しい表情をしている。

「では――俺の……」

 そこまで、言葉が出て唇が震えた。そして、固く引き結ばれると、下を向いてからもう一度顔を上げる。その顔は、ひどく静かだ。

「いえ……すみません。西の村に――時々魔物が出るそうなのです。先日から討伐隊が向かっているのですが、倒すことはできるでしょうか?」