引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実はスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

「ええ、なんでも」

 返した言葉に、レナールの口が開きかけた。そのまま、少し震えるように唇が上下をして、言葉にならない動きをしている。そして、止まり、しばらく考えてから、やがて声になった。

「では――家族が幸せになれるのかどうかを……」

 ひどく抽象的な質問だ。それなのに、ひどくためらいながら口にしたのは、それがレナールの中では、本当に気にかかっていることだからなのだろう。

「わかった」

 そう答える間も、レナールは、アレッシェラの手の先にあるカードを見つめている。

 スッとカードを手に取ると、ばらりと両手で横向きに広げた。サッと手を動かして端から投げるとカードが空中で円形に渦巻き、アレッシェラの左手から右手へと弧を描きながら流れていく。右にもたれたカードは、また三枚ずつ左手へと投げられ、空間に時計回りの大きなカードの円ができた。

「カードよ、この者の願いに応えよ」