「逃げてください! 今のうちに!」
「レナール!」
ハッとしたエディットの声に、その方角を見れば、名前の主であるレナールが、片手を広げて薄い魔法の膜を広げている。
起き上がった魔獣の目が、レナールを映した。そして、再度土を蹴り、猛然と襲いかかろうとしている。
「逃げて、レナール!」
咄嗟にエディットが手を伸ばす。その瞬間、離された手で、アレッシェラは髪に巻いていた連珠を引き抜いた。
周囲には気づかれない程度に神力をこめ、強くヘスーオンへ打ちつける。
「ギャウッ」
一撃で、ヘスーオンの姿は塵と化した。
「大丈夫か?」
突然消えた魔獣の姿に、レナールの目は驚いているようだ。
