引き裂かれた恋人を捜す大聖女は、生贄となる結婚をすることになりました! ~大聖女でもスパダリと言われるので、そう簡単には負けません~

 側から入ろうとしたガレオを制し、アレッシェラは、黒い瞳の女性に薄く笑う。

「魅惑的ではないとは、私のことか?」

 生まれてからこの方一度も言われたことのない言葉だ。侮辱的な発言に、アレッシェラは紅紫色の瞳を、黒髪の女性に固定すると、薄く笑って返した。

 その様子に、相手の態度はいっそう嘲るようになる。

「ええ、そうよ! あなたみたいな貧相な体型の娘は、レナール様にはふさわしくはないもの!」

「ほう――そこで、私を貶める言葉に、不細工や愚かといった言葉を選ばなかったお前の選択については、褒めてやろう」

「なっ……!」

 瞬時に相手の顔が引き攣る。その前で、アレッシェラは薄い金髪を手に取ってさらりと流した。顔の側の髪が、柔らかく流れる。

「確かに私は美しい。お前が勝てるのは、その胸の谷間ぐらいだろう。高雅、優美、端麗いくらでも褒め称えていいぞ」

『それを初対面で言うか!』

 思わずつっこんできたのは、ジャミマス神の声だ。

(あいつ……姿を隠してどこかで見ているな……)

 見回したが、アレッシェラにもわからないほど巧妙に隠れているようだ。こっそりついてきていたのには呆れるが、その前では先ほどの女性が、悔しそうに手を握り締めている。